目次
1.低身長症チェック|まず「現在の身長」と「伸び方」を確認
- 低身長の目安は同年齢・同性の−2SD以下
- −2SDは100人中2~3人程度の位置
- 背の順や現在の身長だけでは判断できない
- 成長曲線に沿って伸びているかが重要
- セルフチェックだけでは診断できない
2.自宅でできる低身長症のチェック方法
- 母子手帳・健診・学校の身長記録を集める
- 同じ条件で身長を正しく測定する
- 性別・年齢に合った成長曲線へ記入する
- 成長曲線を下方向へ横切っていないか確認する
- 1年間の成長速度を過去数年と比較する
- 両親の身長や出生時の体格も参考にする
- オンラインチェックは参考情報として利用する
3.低身長になる原因|体質・遺伝だけとは限らない
- 家族性・体質性低身長
- 小さく生まれた後に追いつかないSGA性低身長
- 食事量不足・栄養吸収障害
- 成長ホルモン分泌不全・甲状腺機能低下症
- 心臓・腎臓・消化器などの慢性疾患
- 染色体・遺伝子・骨の病気
- 体重減少・疲れやすさなど一緒に確認したい症状
4.低身長症チェック後に病院へ行く目安と何科を選ぶか
- −2SD以下が続いている
- 成長曲線が途中から下がってきた
- 年齢相応の身長の伸びが見られない
- 体重も増えない・減少している
- 思春期の変化が極端に早い・遅い
- 出生時から小さく、十分に追いついていない
- まずは小児科、必要に応じて小児内分泌科へ
- 受診時に母子手帳・学校の身長記録を持参する
5.病院で行う検査・治療と家庭でできること
- 問診・身体測定・成長曲線による評価
- 血液検査・尿検査で確認する項目
- 手のレントゲンで調べる骨年齢
- 必要に応じて行うホルモン負荷・染色体検査
- 成長ホルモン治療は対象となる病気に限られる
- 原因に応じて甲状腺・栄養・慢性疾患を治療する
- 睡眠・食事・運動は正常な成長を支える生活習慣
- 生活習慣だけで病気による低身長は治療できない
1.低身長症チェック|まず「現在の身長」と「伸び方」を確認
−2SD以下は低身長を考える一つの目安
「クラスで一番背が低いのですが、低身長症なのでしょうか?」
お子さんの身長が周囲より低いと、保護者の方は心配になりますよね。ただし、背の順だけで低身長症かどうかを判断することはできません。低身長症チェックでは、同じ年齢・同性の子どもと比較した「SD」という数値が使われています。
一般的には、平均身長より−2SD以下の場合を低身長の目安にすると言われています。−2SDより低い子どもは全体の約2.3%で、1,000人のうち約23人に当たるとされています。ただし、これは病気があることを示す数値ではありません。体質や家族の身長の傾向によって、小柄に成長する子どももいるためです。
現在の身長だけでなく成長曲線を確認する
「では、何を見ればよいのでしょうか?」
大切なのは、現在の身長とこれまでの伸び方を一緒に確認することです。母子手帳や学校の記録を成長曲線に書き込むと、身長がどのように変化してきたのかを確認できます。
小柄でも同じ曲線に沿って伸びている場合がある一方、以前より身長の伸びが鈍くなり、成長曲線を下方向へ横切る場合には注意が必要と言われています。身長そのものが−2SD以下でなくても、成長速度が低下している場合は、医療機関での確認が必要になることもあります。
「小さいかどうか」だけでなく、「その子なりに伸び続けているか」を見ることが、低身長症チェックの第一歩です。
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2.自宅でできる低身長症のチェック方法
母子手帳や学校の身長記録を集める
「最近の身長しか覚えていないのですが、それでもチェックできますか?」
一度の測定だけでは成長の流れが見えないため、まずは過去の記録を集めてみましょう。母子手帳、乳幼児健診、保育園や幼稚園、学校の健康記録などが役立ちます。
記録がそろったら、性別と年齢に合った成長曲線へ身長と体重を書き込みます。測定した日付も必要です。「7歳」だけではなく、「7歳6か月」など、できるだけ実際の年齢に近い位置へ記入するのがポイントと言われています。成長曲線を使うと、現在の身長だけでは気づきにくい変化も見つけやすくなります。
年間の伸びは年齢に合わせて確認する
「1年間に5cm伸びていなければ低身長症ですか?」
年間5cmという数字だけで、一律に判断するのはおすすめできません。子どもの成長速度は年齢や思春期の時期によって変わり、男の子と女の子でも成長のパターンが異なると言われています。
前回の身長との差を確認したうえで、同年齢の標準的な成長速度と比べることが大切です。特に、これまで一定だった伸びが急に鈍くなった場合や、思春期に見られる成長スパートが確認できない場合は、医療機関へ相談する目安になります。
オンラインの低身長症チェックツールも便利ですが、入力した数値を基にした目安に過ぎません。結果に問題がなくても、成長の変化が気になる場合は小児科へ相談しましょう。
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3.低身長になる原因|体質や遺伝だけとは限らない
家族性・体質性による低身長
「両親ともに小柄なので、子どもの身長が低くても問題ありませんか?」
親から受け継いだ体格や、成長する時期がゆっくりな体質によって、身長が低めになる子どもはいます。このようなケースは、家族性低身長や体質性低身長と呼ばれることがあります。
身長が低くても成長曲線に沿って伸び、体重や体調に大きな変化がなければ、病気とは考えにくい場合も多いと言われています。一方で、「家族も小柄だから」と決めつけてしまうと、成長速度の低下を見逃す可能性があります。体質かどうかは、身長だけでなく、出生時の体格やこれまでの成長記録などを含めて確認する必要があります。
ホルモンや慢性疾患が関係することもある
低身長の原因には、成長ホルモン分泌不全症や甲状腺機能低下症などの内分泌疾患が含まれます。そのほか、小さく生まれた後に身長が追いつかないSGA性低身長症、栄養不足、心臓・腎臓・肝臓などの慢性疾患、染色体や骨に関係する病気なども挙げられています。
ただし、低身長だからといって、必ずホルモンの病気が見つかるわけではありません。兵庫医科大学病院では、検査をしても病気とは考えにくい低身長と判断される方が多いと説明されています。
疲れやすい、元気がない、体重が増えない、便秘や寒がりが目立つなど、身長以外の変化がある場合は小児科へ相談しましょう。
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4.低身長症チェック後に病院へ行く目安と何科を選ぶか
成長曲線から外れてきたら相談する
「−2SD以下でなければ、病院へ行かなくても大丈夫でしょうか?」
−2SDは低身長症チェックの目安ですが、この数値だけで来院の必要性が決まるわけではありません。以前は平均に近かったのに、徐々に成長曲線を下へ横切っている場合や、同年齢の子どもと比べて身長の伸びが明らかに鈍い場合も、確認が必要と言われています。
また、体重が増えない、以前より痩せてきた、元気がない、思春期の変化が極端に早い・遅いといった様子も見逃したくないポイントです。身長以外の症状がある場合は、「もう少し様子を見よう」と長期間放置せず、医療機関へ相談してください。
まずは小児科へ相談する
低身長が気になる場合は、まず小児科への来院が基本です。必要に応じて、小児内分泌科や成長に詳しい専門医を紹介してもらう流れになります。
来院時には、現在の身長だけでなく、母子手帳や乳幼児健診、学校で測定した身長・体重の記録を持参しましょう。医療機関では、出生時の状態、これまでにかかった病気、食事、服用している薬、家族の成長パターンなども確認すると言われています。
「まだ成長期だから大丈夫」と自己判断するより、早い段階で成長曲線を確認してもらうことで、必要な対応を検討しやすくなります。
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5.病院で行う検査と家庭でできること
成長記録・血液・骨の成熟度を確認する
「病院では、いきなり注射などを行うのでしょうか?」
最初から特別な方法を始めるわけではありません。一般的には問診や身長・体重の測定を行い、過去の記録から成長曲線を作成します。そのうえで、必要に応じて血液検査、尿検査、手のレントゲン検査などが行われると言われています。
血液検査では、貧血や肝機能などの一般的な項目に加え、甲状腺ホルモン、IGF-1、性ホルモンなどを確認する場合があります。手のレントゲンは、骨の成熟度である「骨年齢」を調べるためのものです。状況によっては、染色体などを詳しく調べることもあります。
成長ホルモンは誰にでも使うものではない
成長ホルモンによる対応は、成長ホルモン分泌不全症やSGA性低身長症など、一定の条件を満たした場合に検討されます。「背を高くしたい」という理由だけで、すべての子どもに行われるものではありません。
家庭では、十分な睡眠、偏りの少ない食事、適度な運動など、健康的に成長できる環境を整えることが大切です。ただし、生活習慣を整えるだけで、病気が原因の低身長が改善するとは限りません。
また、日本小児内分泌学会では、身長を伸ばすと宣伝されているサプリメントについて、科学的根拠や安全性が十分でないものがあると注意を促しています。自己判断で商品に頼る前に、まず成長曲線を確認し、必要に応じて小児科へ相談しましょう。
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